「スーパースターK」出身スターの明と暗

「スーパースターK」（SUPER STAR K）とは、韓国のケーブルテレビ局Mnet（エムネット）で放送されていた人気の公開オーディション番組で、2016年までに８シーズンも制作されました。

プロの歌手を目指す登竜門番組として大きな影響力があり、優勝者はもちろん、番組で活躍したオーディション参加者もたくさん、番組終了後に歌手デビューの夢をかなえています。

この番組からは、記念すべきシーズン１の優勝者であるソ・イングクや、配信チャートを独占する「音源強者」の女性デュオ・赤頬思春期（BOL４）など、数多くのアーティストを輩出しています。

赤頬思春期　『好きだと言って』

また、番組で実力を認められて、WINNERのカン・スンユンのように、アイドルグループの一員としてデビューするケースもあります。

ソ・イングクは歌手だけでなく、現在は俳優としても大活躍しています。主演ドラマの「応答せよ1997」は韓国のみならず、日本でも高い人気を誇り、韓流スターとしての地位を築いています。

赤頬思春期は、シーズン６でTOP10にすら残れずに落選してしまいましたが、番組での人気と実力が現所属事務所の目に留まり、歌手デビューに至りました。

今では彼女たちの音楽性が韓国の若い女性を中心に絶大な支持を得ていて、アイドルグループでなくとも歌手として成功できるということを証明しています。

また、音楽界での活躍が評価されて、ボーカルのアン・ジヨンは平昌（ピョンチャン）オリンピック開会式への出演を果たしました。


順調な活躍を見せるスターたちとは対照的に、2019年に発覚した「スキャンダル」によって音楽活動はおろか芸能活動の危機に直面しているアーティストたちもいます。

シーズン４の優勝者であるロイ・キム、同シーズンで活躍したチョン・ジュニョンとエディ・キムの３人です。

エディ・キム　『君の使用法』

（ロイ・キムについては、「韓国の春の定番ソング」でも紹介しています）

このスキャンダルの中心人物であるチョン・ジュニョンは、ロックバンドのボーカルとしてだけでなく、バラエティ番組でも活躍していましたが、わいせつ動画を盗撮・流布したとして逮捕され、残る２人もグループチャットのメンバーとして、事件に関与した疑いで立件されるなど、世間に大きな衝撃を与えました。

韓国社会は日本以上に薬物や性犯罪に厳しいため、彼らの再起は非常に難しい状況となっています。

才能あふれる彼らの歌手生命が断たれるだけでなく、彼らが残した音楽の価値までも損なわれてしまうのは、ただただ残念でなりません。

Writer:真先燦

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