韓国の年末特番事情とは！？

韓国のテレビ局について

韓国には主要テレビ局３社に加えて、総合編成局やスポーツなどの専門局があります。主要テレビ局３社とは、公共放送で日本のNHKに当たるKBS、半官半民で運営されているMBC、比較的新しい民間放送のSBSです。KBSはKBS1とKBS2の２チャンネルを持っていて、CMが流れるKBS2は民放に近いです。


　年末特番

韓国の年末特番といえば、「演技大賞」と「演芸大賞」、そして「歌謡祭」の３つです。KBS2・MBC・SBSの各局でそれぞれ、毎年放送されています。

演技大賞は、１年間に放送されたドラマの授賞式です。長編や短編、新人・助演・主演というように部門別に表彰され、他にも人気賞やベストカップル賞といった視聴者が参加できる賞もあります。2019年の大賞に輝いたのは、KBSがコン・ヒョジン、MBCがキム・ドンウク、SBSがキム・ナムギルでした。

演芸大賞は、１年間に放送されたバラエティ・コメディ・教養・ラジオ番組の授賞式です。大賞はお笑い芸人のMCが受賞することが多く、2019年もMBCとSBSで芸人が受賞しました。（KBSの大賞は某番組の出演者全員）

番組の出演者だけでなく、放送作家や番組の制作チームも表彰されるのが特徴です。

演技大賞と演芸大賞では、アイドルや新人俳優などの祝賀公演が行われるのも見どころです。どちらの大賞も受賞することは、役者とタレントにとって名誉なことです。

年末の歌謡祭は、各局年に一度の音楽の祭典です。以前は授賞式が行われていましたが、最近はアーティストのステージのみが行われています。日本同様、アイドルの出演数が圧倒的に多いですが、趣向を凝らしたステージが繰り広げられます。

近年の大晦日は夜９時頃から、KBS2とSBSでは演技大賞、MBCでは「歌謡大祭典」が年をまたいで放送されています。韓国の年末特番は日本でも注目度が高いので、日本のケーブルテレビで生中継もしくは録画放送されています。


　何かが起きる年末の歌謡祭

韓国の年末歌謡祭は毎年、何かしらの物議をかもすことで有名です。特にSBSの「歌謡大典」では、音響トラブルやカメラワークミスなどの放送事故が毎年のように起きます。実際に昨年も、リハーサル中にRed VelvetのウェンディがSBS側の安全不確認によって、２ｍのリフトから落下する事故が起きてしまいました。

この事故でウェンディは、顔・骨盤・手首を骨折する全治６週間以上のケガを負いました。

また、昨年はKBSとMBCの歌謡祭でも、ちょっとした放送事故がありました。KBS2の「歌謡大祝祭」ではApinkのステージが強制的に終了となる事態が起き、MBCの「歌謡大祭典」でも予定していた曲が流れないトラブルが発生しました。

「歌謡大祭典」に関しては、BTS（防弾少年団）の出演をめぐっても、ひと悶着（もんちゃく）ありました。

通常の生放送では放送事故がほとんど起きないのに、年末の歌謡祭になると慌ただしいためか、何かが起きてしまうのです。

次回こそは、視聴者と出演アーティストが満足できるような素晴らしい歌謡祭を作り上げてほしいですね。

Writer:真先燦（Twitterは@chayoncheorigin）

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